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高校時代、英語を勉強する際に熟語や慣用表現の重要さを感じましたが、なかなか覚えにくく、またなかなか馴染めなくて困ったのを思い出します。

 

特にget、 make、 take、 put など短い基本単語は、多くの熟語を作り出し、しかもそれぞれの熟語で動詞の意味が共通していないように感じ、覚えられないのです。get it, get on, get out, get off, get out など、いくらでもできそうで、しかもそれぞれに複数の意味がついていたり。

 

ああ、もう覚えられない・・・ むりやり覚えるため、ベッドの上の天井に貼り、寝る前、起きた時に何度も目にせざるをえないようにしたり、涙ぐましい努力をしたものです。

 

英語に多く触れるようになって、これら基本動詞そしてそれらにくっつく副詞(小片)や前置詞の語感がしっかりわかるようになってきました。

 

こうなると基本動詞の熟語など基本動詞を使った表現が理解でき、またネイティブの子供たちは難しい単語でなくこれら基本動詞の組み合わせから、表現を増やしていくことも納得できるようになりました。

 

さて、ここでは基本動詞の中でも難関の get について、つかむべきその語感を伝授しましょう。なぜか参考書などにはこのような解説は見当たりませんよ。

 

get の難しい点は、まず目的語をとる他動詞と自動詞と両方あり、意味が異なるように感じる点です。まず、何かをゲットした、と日本語にもなっている「得る」という意味ですね。第3文型で、I got the ticket at a discount. 「そのチケットを割引で手に入れたよ。」I got it. は「わかった。」

 

第4文型の動詞としては、誰かに何かを持ってくる場合にも使います。I’ll get you some nice coffee. 「おいしいコーヒーをあなたに持ってきてあげましょう。」

 

第2文型の自動詞としてもよく使います。He gets hungry around five o’clock every evening. 「毎夕5時ごろに彼はお腹がすいてきます。」It is getting warmer and warmer. 「どんどん温かくなってきました。」

 

この2文型でbe 動詞と比べることからget の理解ができるようになります。He is injured. は「彼はケガしている。」He got injured. は「彼はケガをした。」というわけで、この「動き」をとらえてほしいのです。

 

get は起動動詞と呼ぶことがあります。「止まっているものに動きを与える」これが get の本質の一つです。be動詞を get に変えてみましょう。

 

例えばbe used to --- は「何かに慣れていると」いう意味です。He is used to eating spicy Korean dishes.「彼は辛い韓国料理を食べることに慣れている。」

 

これを get にすると、He got used to eating spicy Korean dishes. 「彼は辛い韓国料理を食べることに慣れた。」となります。動きを示していますね。be interested in , get interested in  / be excited about ,   get excited about なども同様です。

 

get は動きと共にある程度の「強さ・力」 を感じる言葉であり、これも本質で「動き」をもたらすものとも言えます。例えば、相手に Go out! というと、「外に出なさい。」という響きですが、Get out! というと、「出ていけ。」となり、強さが感じられますね。

 

第3文型の他動詞でもget は「しっかり得る」という力強さがあり、第4文型で誰かに何かを持ってきてあげる場合も、力強い行動を感じます。

 

再び、チェックしてみましょう。I got the ticket at last. 「ついに、そのチケットを手に入れたよ。」Get me some water! 「水を持ってきて!」   

 

「車に乗り込む」は get into the car 、その逆に「車から出る」はI get out of the car 。車の出入りはドアの開け閉め、体の出し入れが必要である程度の「力」が必要です。同様にバスや電車の乗り降りも、get on / get off を使います。on は乗っている状態、 off は「さっと離れる」意味を示します。

 

「調子はどうだい」「どのようにお暮しですか?」という挨拶のような表現は How are you getting along? と言います。along は「~に沿って」という前置詞もあり、道や川に沿っていくことを示します。

 

get along は「暮らしや人生」という道に沿って「進もう」とすることを示しています。だから How are you getting along? と聞くのですね。「誰々とうまくやっていく」も同様で、 get along with --- という表現を使います。I found it difficult to get along with him. 「彼とうまく付き合っていくのは難しいと感じた。」

 

さらに、何か困難を乗り越える場合、get over という表現になります。over は何かを超える様を表わします。つまり力を込めて、困難などを克服する表現です。The company got over a crisis. 「その会社は困難を乗り越えた。」まさに get の力強さが感じられますね。

 

いかがですか? 「get がわかれば英語がわかる」は大袈裟ですが、このように基本単語の本質的意味を実感できるようになると、英語の表現力、また英語を読む・聴く力も大きく伸びますよ。

 

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