コロナ禍の最中、健康には特に気をつけていたのですが、先日、ウイルス性胃腸炎 stomach flu に襲われました。幸い1日半で収まりましたが、こんな病気にも油断できませんね。
Sound mind in sound body. 「健全な身体に健全な精神が宿る」は有名な英語表現ですが、確かに体がまいってしまうと、正常な判断ができなかったり、やる気が出なくなったりします。
この mind が今日のテーマです。上の文でmind は「精神」と訳しましたが、もう少し丁寧に言うと 気持ちや考えをつかさどる「心」といった意味です。同じ「心」でもheart は愛情のように胸のあたりに感じる「心」、mind は頭の中で気持ちを意識する「心」です。
make up one’s mind(決心する)は代表的な表現です。I finally made up my mind to change my job.「ついに転職を決意しました。」というように使います。
何かを考え直した場合は、I changed my mind. 相手が何か悩んでいるようだったら、What’s on your mind? 「何が気になるの?」と聞いてあげましょう。
気持ちが安定し、気持ちに余裕がある状態は I have peace of mind. と表わします。逆に冷静さを失うのは、lose peace of mind。Tom lost peace of mind.「トムは冷静さを失った。」
重要なことを心に留めておくのは、keep (bear) ~ in mind という表現を使います。この ~ 部分が文になるなら、that を使って、Keep in mind that these steps are essential. 「これらの手順は必須だということに留意ください。」というように使います。
come into one’s mind は(何かを思いつく)ときに使います。彼女の顔が突然頭に(心に?)浮かんだら、Her face suddenly came into my mind. ですね。
さて、私は小学校のころ野球が大好きで、毎日、日が暮れるまで、草野球に精を出していました。体も小さかったし、あまり上手ではなかったと思いますが、好きな投手の投球フォームを真似してはご機嫌でした。そんなころ、このmind という単語にすでに出会っています。
そう、例の「ドンマイ、ドンマイ」(気にするな、気にするな Don't mind, don't mind.)ですね。失策をしたり三振したり、ドジを踏んだ友を慰めたりするのに使いました。
動詞の mind は「気にする、気に障る、気になる」といった意味ですね。I don’t mind. は「気にしていない」で、後ろに動名詞をつけて、I don't mind doing kitchen work. なら「台所仕事もいとわない」となります。
Mind your own business. は、直訳すると「あなた自身の仕事をかまってください」ですが、いいたい意味は「余計なお世話だ / 口出ししないで / ほおっておいて」ということですね。
動詞の mind を使う疑問文は、答え方において、私たち日本人が最も間違いやすいパターンの一つです。
Do you mind helping me? 「助けてくださいませんか?」と聞かれたとき、Yes あるいはYes, I do. と答えてしまいそうですが、いや、答えてしまいますが、それだと「助けるのはイヤ」の意味になってしまいます。Do you mind? は(気に障るか?)なので。
丁寧版の Would you mind でも同様で、Would you mind my opening the window? (あるいは Would you mind if I opened the window?) と聞かれた場合も、Yes. あるいは Yes, I would. と答えると、自分の意図と反対の、キツイ否定になってしまいます。
このような時は、No. I don’t mind. 「いえ、かまいませんよ」、あるいは、No. No problem. 「いえ、問題ありませんよ。」と答えましょう。
そして、本当に困る場合は、Please keep the window closed for some time. 「しばらく、窓を閉めておいてください」などと具体的に返答しましょう。
mind という言葉は、自分の行動を決める基準として大事なだけでなく、人と人とのコミュニケーションにおいても、大切であることがわかりますね。
mind の表現を理解すると、英語に対する自信もレベルアップするのではないでしょうか。