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英語の動詞の中でも make や get と共に頻繁に登場する take 。皆さんはどのような意味にとらえていますか?

 

コロナ禍で一般化した食事のテークアウト take-out をイメージする人もいるでしょう。I took out some sandwiches to have a small party at home.「家で小さなパーティを開くため、サンドイッチをテイクアウトしました。」

 

今回は take の旅です。

 

take out は「外へ持ち出す」ということですね。持ち出すためには、その食べ物を手に取ることが必要です。そう、take は日本語の「取る」に近い動詞ですが、それだけでは様々なtake の用法や、たくさんなるtake の熟語を理解したり、覚えたりするのには不十分です。

 

take は「誰かをどこかに連れていく」ときに使いますね。 I am going to take my son to the zoo next Sunday. 「私は今度の日曜日、息子を動物園に連れていくつもりです。」手を取って、連れていく感じです。

 

Tom took me by the arm. 「トムは私の腕をつかんだ。」という表現は、少し変わっていて、先に「私をつかまえる」と言い、後で定冠詞 the を使って「腕を」という部位を表現しています。難しい言葉ですが、「複合観念の分解」と言って、先に結論「私をつかまえる」と言いたい「英語らしい感覚」からきています。

 

さて、take を使う行動は、ほんの少しの手間から、相当な手間まで範囲はあるものの、「わざわざ行為」をするという共通点があります。

 

take a shower 、take a bath のように、基本的な動詞も get や make と違って、「わざわざする、手間だが行う」行動に使っています。 I always take a shower after playing tennis. 「テニスをした後はいつもシャワーを浴びます。」

 

「休憩する」もわざわざ行為で take を使います。じっくり体を休めるならtake a rest 、ちょっと活動を中断する休みは take a break です。Take a good rest.「ゆっくり休んでください。」

 

 

take a picture 「写真を撮る」も「わざわざ行為ですね。」Let's take a picture together. 「一緒に写真を撮ろうよ。」

 

 

Take it easy! は「気軽にね、無理しないでね」と言う意味ですが、物事を「どのように取る」かを示す表現でね。

 

コートや上着など「服を脱ぐ」も take off (off は「さっと離れる」感じを示す副詞小片です)を使いますね。Why don't you take off your coat? 「コートをお脱ぎになったらいかがですか?」

 

take off は「離陸する」という意味もあります。飛行機が力を伴って、地面から「さっと離れる」動きを示していますね。The plane took off for New York on schedule. 「飛行機はニューヨークに向けて定刻に離陸しました。」

 

 

お店で何か買うとき、品物を決めたら店の人に、I’ll take it. 「これをもらいます(買います)。」といいますね。take は単に「取る」だけでなく「わざわざ行為をする」ので、何らかの負担がかかる場合も多く、これを覚悟する行為が take になります。モノを買う場合はお金が必要になりますからね。

 

 

移動するときに、公共輸送機関を使う場合も take です。take a train、take a bus、take a taxi、take the subway など。やはり交通費をかけても行なう「わざわざ行為ですね。」

 

この中で地下鉄だけは subway 車両でなくシステムを示すので、不定冠詞 a でなく、定冠詞 the になります。My brother takes the subway to his office. 「お兄さんは彼の事務所まで地下鉄を利用します。」

 

試験を受けたり、カリキュラムを受講したりするのも take です。検査を受けるのも take a test です。take は、それなりの覚悟の必要な行為に使われるのがわかりますね。I took a French course at a university. 「私は大学でフランス語のコースを受講しました。」

 

 

また、人やモノの世話をするのも take care of という表現を使いますね。 care には世話、注意、介護などの意味がありますが、いずれにしても「相手の世話」という責任を取ろうとすることです。I was busy taking care of my mother. 「母の世話に追われていました。」

 

 

当然、「責任を取る」も take responsibility という表現になります。He took all responsibility for the project. 「彼はその計画の責任を一手に引き受けました。」

 

 

義務や責任などを引き継ぐのは take over です。A new employee took over his business. 「一人の新入社員が彼の業務を引き継ぎました。」

 

会社を買収するのも take over ですね。資金もいりますが、覚悟も要りますね。近年の企業経営においては企業買収が重要な経営上の手段になっています。The company took over the business of Meiji Enterprise.「その会社は明治エンタープライズの事業を買収しました。」

 

企業買収は、複数社の競争になる時がありますが、そんな時、使われるのが TOB:Take Over Bid 「株式の公開買い付け」ですね。

 

また、「~に参加する」は take part in です。イベントなどで「自分の役割を確保する」という語感ですね。I think we should take part in the volunteering activity. 「私たちはそのボランティア活動に参加すべきだと思います。」

 

take place も「~が起こる」という意味ですが「場所を取る・占有する」という意味からtake らしい表現であることがわかりますね。That accident took place at the corner of Fifth Avenue. 「その事故は五番街の角で起こりました。」

 

take after は「~に似ている」で、「わざわざ行為」でないようですが、これはもともと「~を見習う、後を追う」という意味からきているので、やはり基本は手間をかける行為なのです。He took after his father in every way. 「彼は彼の父親に何から何までそっくりです。」

 

いかがですか、基本動詞として大切な take ですが、基本的な意味がつかみにくいですし、学校や参考書でもこの点を詳しく説明しているものを見かけません。ぜひ、このブログ記事を参考にして、英語を楽しく学んでくださいね。