ゴルフは私の趣味の一つです。ゴルフはイギリス生まれであり、ゴルフならではの様々な英語に触れることができます。
英語の学習にも役立つ、いくつかのゴルフ英語を見ていきましょう。
ゴルフは普通2~4人のグループで、通常18の「ホール」を周ります。ゴルフコース (golf course) はゴルフ場そのものを示します。
ゴルフ練習場は golf driving range と言います。drive という言葉は車だけでなく「ものを駆動させる、推進する」という意味なので、ゴルフの場合、ボールを遠くへ「飛ばす」ことを意味します。
ゴルフのボールを飛ばす「主役の棒」としてのドライバー (driver) は運転手と同じスペリングですね。
range (発音:レインジ)は「範囲」という意味ですが、射撃場やゴルフ練習場など「球の到達範囲」の練習場を示すのです。
18ホールを周る1試合(1周)をラウンド (round) と言います。play a round of golf 「ゴルフを1ラウンドする」という表現を使います。
ボールを穴(hole)に入れるので、1打目を打つ出発点(teeing ground) からグリーン (green、putting area) までを 1ホール (hole)というわけです。
グリーンと呼ばれるエリア(実際に緑色の濃い芝生エリアです)で、ホール(円筒形の穴)にボールを入れるので、その穴をカップ cup とも言います。
カップにボールを入れようと打つ動作は パットと言います。スペリングは putt なのですね。put も putt も ing形は同じ putting となりますが、発音は プティング と パティング のように異なります。紛らわしいですね。
打つ時にボールをのせる台として、芝生に突き刺すピンを tee と言います。ゴルフのスタート時間も teeing time と言います。tee という言葉はケルト語の「家」を表わす tigh が語源だと言われます。
面白いと思うのは、4人のうち、だれが最初に打つのかは、一つ前のホールの成績順で決まるので、最初に打つ人を オナー (honor) と言います。 honor は「名誉」の意味なので納得ですね。
このオナーは h から始まる単語ですが、次に o が来て h を発音しません。 hour (1時間)、honest (正直な)などと同じですね。「相続人」を示す heir (発音:エヤ)も語頭の h を発音しません。
各ホールに決められた既定の打数でホールを終えると パー(par)と言います。規定打数より1打少なくホールを終えると バーディー (birdie) と言います。birdie は幼児語で「小鳥さん」。
規定打数より 2打少なくホールアウトすることを イーグル (eagle)「鷲」と表現します。まず経験することはないでしょうが、規定打数より3打少なくホールアウトすることを、アルバトロス(albatross) 「アホウドリ」と言います、鳥ばかりですね。
逆に規定打数より1打多くホールアウトすることを ボギー。19世紀のイギリスの歌の歌詞 "I’m the Bogey Man."から、漠然と「いいスコア」という意味で使われるようになったと言います。
規定打数より2打多くホールアウトすると double bogey 、3打多いと triple bogey になります。
par は「同等・基準」という意味なので、ゴルフでは規定打数を示しますが、even も形容詞は「平らの」という意味から「同等の」を示します。
1ラウンドの規定打数合計は72であることが多く、72に対してどれくらいの打数で周るかで、even par (規定打数合計と同じ)、three under par (規定打数合計より3つ少ない)、five over par(規定打数合計より5つ多い)などと、成績を示します。
日本では、各ホールを長さや規定多数によって、ショートホール、ミドルホール、ロングホールと呼んでいますが、これらは和製英語で、英語では Par 3 hole、 Par 4 hole、 Par 5 hole と呼びます。
向かい風を アゲインストの風、追い風を フォローの風と呼ぶのも日本式で、英語では、向かい風は headwind、追い風は tailwind 呼びます。head はご存じ「頭」ですが、 tail は「しっぽ」から「追尾する」という意味があるのです。
まだまだ面白い英語がゴルフ用語にはありますが、また機会があればご紹介しましょう。最近は、日本のプロ選手、特に女性達の活躍・レベルアップが著しく、世界での飛躍を応援することも楽しくなってきましたね。
スポーツにはそれぞれ独特な用語がありますが、あなたが英語圏のスポーツにいそしむ時には、その用語を探ってみると面白い発見があるかもしれません。そしてそんな探求は、英語の学習にも役立つと思いますよ。